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インビ2
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「俺をどこにかりだす気だよ? 飯食ってないんだぞ、俺は」
「大丈夫大丈夫、ご飯は出るし、明日には帰れるから」
……何故か、話が進んでいる。まずい。
「連れてくなら誠二連れてけよ、知り合いなんだろ、お前達」
この一言に、しかし、朱実は、
「駄目よ……あそこは、誠二にとって、天敵の巣窟だから」
まったく、だらしがない!
きつく拳を握り締め、意味不明の内容を述べただけだった。
天敵の巣窟。
ゴキブリがワラワラとたむろする、貧相な家なのか?
あるいは、ライオンのような猛獣でも飼える程の豪邸なのか?
誠二の天敵。あの仏頂面に苦手なものがあるのだろうか。
疑問に思いつつ、勇樹はなし崩し的に朱実の後をついて行く事になったのだが……
なるほど……確かに、無愛想の国の王子様である誠二にとっては、ここは、天敵の巣窟だ。
「兄ちゃん! しっかりしてや!」
「イタッ! 髪は引っ張るな! よ、涎垂らしてんじゃねえよ!」
「なあなあ、次、オレ!」
肩車をしている子どもは無邪気に勇樹の髪をひっぱり、そこに集まる子ども達も『次オレ、次オレ!』、『裕一ばっかりずるいぞ!』と足元でズボンを引っ張り、引っ切り無しに肩車をせがんでくる。
広いグラウンド。普通の家にはないブランコやジャングルジムまである。
門には、一つの看板がある。『原養護施設』という看板が。
……つまり、彼等や朱実は、孤児なのだ。
「こらっ! お兄ちゃん困らせてんじゃないの!」
腰に手を当て、説教モード全開。慣れた口調でたしなめるのは朱実だ。
「えー? いいやん?」
「裕一、もう降りろよ! 次オレ!」
「あ、ずるいぞ! 次は僕だよ!」
か、勘弁してくれよ……!
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