インビ2
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雑踏が耳をつんざき、電光掲示板の光が真昼間から地上に降り注ぐ中、朱実は考える。 おかしい、と。  原朱実は素直に、最近の同僚についてそう思っていた。  スクールに入学して一ヵ月半になるが……ここ二週間、同僚の八神勇樹の行動は絶対におかしい。彼の成績は、お世辞にも良くないもの。仮想共鳴体との戦闘は相変わらずレベル十五をクリア出来ないでいる。  一ヶ月前までなら、そんな状況をどうにかしようと、休日も、僅かな空き時間も使ってシュミレーションルームに向かっていたのだが……最近は個室の射撃場に行くだけ。しかも、疲労困憊の顔付きで帰ってくる。  さらに、休日はどこかに外出している。  そんな余裕があるとは、到底思えない。  何かおかしい。  そう思った原朱実は、休日の今日、外出している勇樹をつけている真っ最中である。 「ヤケになってなきゃいいんだけど……」 「……ですね」  勇樹をつけようと部屋を出た時、運悪く、眼の前には香がいた。『どうしたんです?』と追求されてしまい、勇樹をつけるのが最優先だと考えた朱実は、渋々香を連れてきたのだ。 ……しかも、 「う〜ん……こっちの方角に何かあった?」  隣りには白髪を隠すために帽子を被り、余計怪しくなるであろうサングラスを装着し、さらには冬でもないのにロングコートを着込んで地図を確認している一枝。彼女とは、玄関先で、ばったり会ってしまったのだ。  朱実自身は知らん振りをしようと思ったのだが、『一枝さんはどうするんです?』と事情を知らない香が聞いてしまったため……  こうして女三人、スクールを出発し、バスに揺られつつ一時間ほどで札幌の街に来たのだ。 何が悲しくて、女三人雁首揃えて男をつけなければならないのだろうか? 朱実は首だけ路地の角から出す。  見据える先には勇樹。  彼が自主訓練を放棄してまで、休日に何をしているのか。  同僚が一緒に卒業出来ないとなったらやはりそれは寂しい。もしヤケになっているのなら、ちゃんと訓練をさせなければ。  何より、彼には『学園』での借りがある。