インビ2
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最初に誠二が向かった先は、花屋であった。 「花? 誠二君が?」 「に、似合わねえ……天変地異の前触れか?」 「な、何が起こるの?」  壁越しから、一枝と勇樹、朱実が率直な感想を洩らす。普段は自分の意見を言わない香でさえ無言ではあるが興味深そうに見ている。 「店員に対しても仏頂面なのは、まあいつも通りだとして」 「……うん? 今度はどこに行くんだ?」 「あ、動いたわよ」  やるき満々で四人は誠二を追いかける。 「病院?」 「あー……ますますあいつのイメージが」 「お見舞いにでも来たのかな?」 「……どうでしょう?」  疑問の言葉を発する一枝をよそに勇樹は首を横に振り、朱実は見舞うような相手が誠二にいたかどうかを記憶から呼び起こしている。香も困惑気味の表情だ。  誠二は病院の関係者とは親しいのか、一切の手続きをせずに二階の階段へと向かい、 「……!」 「せ、誠二が、看護婦さんに会釈した?」 「あの仏頂面を極めた人間が?」 「……そ、そこまで言わなくても」  病院に入った四人は小さな叫びをあげ、二階にのぼる階段を見つめている。一枝は訓練でも見せないような厳しい顔付きでそれを観察している。 「……じゃあ、二手に分かれようか。朱実さんと香さんは手続きをしてきて。私と勇樹君は誠二君追うから」 「え? ちょ、ちょっと待って! ちゃんとした職を持っている一枝さんの方が、手続きには向いているじゃないですか? 私達、訓練生なんだから!」 「そ、そうですよ!」  朱実と香の主張はもっともだ、と勇樹は思う。