インビ2
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誠二にばれないよう一定の間隔を保ち、二人は四階までのぼっていた。 「……一枝さんって、結構ヒドイんですね」 「え?」 「普通、あの状況で、誠二の知り合いの朱実を残しますか?」 「う〜ん……じゃあ、勇樹君が残っていれば良かったんじゃない?」  ……あっさりそう返答する所が『ヒドイ』と思う。訓練中の態度からは考えられない接し方だ。 「……なんか、性格、変わってません?」  勇樹の問いに、一枝は眼を泳がせ、 「学生時代は、結構、こんな感じだった……人の噂と裏話、恋話に目が無くて……」 呟き、コホン、と咳払い。 「良く言えば茶目っ気がある、悪く言えばおふざけが過ぎている」 「『一枝の悪い所だ』って、何回か、言われてました……」 「……友達にそう言われたんなら、直しましょう」 皮肉交じりに会話を締めようとした勇樹だが、 「……友達、か」  深刻そうな独白に、勇樹はまゆをひそめた。  友達がどうかしましたか、と口を開きかけた時、 「あ、誠二君、病室入ったよ」  勇樹を無視してさっさと病室の手前まで行ってしまう。  溜息をつくと勇樹は一枝のあとを追い、 「……栗山、誠一?」 「お兄さんかな?」  病室のラベルを見た。 「一ヶ月ぶりだね、兄さん」  その声を聞き、勇樹は飛び上がりそうになった。それは一枝も同じようで、勇樹と顔を見合わせている。 「せ、誠二君が……」 「こ、こ、こんな愛想の良い声、出せたのかよ?」  二人はドアの向こうの声に耳を傾ける。 「そっちはどうだった? こっちは変わりない」