インビ2
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「三ヶ月前に、一家ごと交通事故にあったみたい。誠二は奇跡的に無事だったんだけど、その時の事故で、お兄さんが植物状態になっちゃって……」 「三ヶ月前と言うと……あいつ十五だから……中学卒業するちょっと前か」  思案する勇樹に、朱実は首肯する。 「進学先も決まっていたんだけど……看護婦さんの話から推測すると、お兄さんの入院費用払うために、進学先、蹴ったみたい。今は親戚が面倒見てるけど……一年たっても回復しなかったら、もう援助は打ち切るって」  ……全然知らなかった……  朱実が沈痛な表情で顔をアスファルトに向ける。  治療費をどうにかするために、誠二は『インヴィテイション』になったのだろうか? いや、多分、そうだろう。  あの自分勝手な誠二でさえ、人のために、病床についている兄のために孤りきりで闘っている。  自分は、どうなのだろう?  自分のために。借金を返すために。  ……それは間違いない。  だが…… 「どうしたの? 勇樹君?」 「え? 何すか?」  一枝は言うべきかどうか、やや躊躇し、 「……顔色、あんまり良くないよ?」  小声で問う。  しかし、『大丈夫』という一言は、ついに勇樹の口から発せられなかった。