インビ2
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神孝弘は皆が寝静まった夜間に、個人用の射撃室に足を踏み入れた。電気をつけ、足を少し引き摺りつつ、ゴミ箱に向かう。  使われた的が捨てられているゴミ箱に。  そして、その的をゴミ箱から拾い上げる。 「ふむ……二週間前よりも確実に進歩しているな」  その的は穴だらけになっていた。ただ、穴の数そのものは二週間前よりも格段に少なくなっていた。  そして、今度は缶を漁り始める。弾丸によって穴の開いた缶を。  それを見た孝弘は、無言で不敵な笑みを象っていた。      *  母は、ただ泣いている。  付添っていた孝弘は、沈黙を守っている。  目の前には、拳銃が一つ。  部屋のドアが、ほんの少し開けられていた。  怪我をしているのか、顔や腕に包帯をしている少女が、そこから勇樹を覗いていた。自分よりもちょっと年上の、黒い髪が幼心に綺麗だな、と思える女の子。  勇樹はその場にいずらかったし、少女が何をしているのか興味を覚えたのか、こっそり部屋を出ようとする。  その時、少女と勇樹の眼があった。  すると少女はビクリと肩を震わせ、背を向けた。  勇樹がドアを開けた時には、少女はずっと向こうに走っていった後だった。  人の嫌がる事をしてはいけない。  両親にそう言いつけられていた勇樹は、ぼんやりといけない事をしたのかなぁ、と思う。  でも。  僕は、あの子に、何をしたんだろう?