インビ2
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12
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「ちょっと! これ、片付けてよ、誠二!」 「……」 「誠二! あんたね!」 「……あ、あの、その、け、喧嘩は」  誠二の衣類を詰めた段ボール箱を朱実が指差し喚いているが、誠二は耳を塞ぎ『聞いてない』のポーズ。 香はそれを見てオロオロするだけ。 「もう……勇樹、あんたもなんか言って……」  そう言いかけ、朱実は目的の人物がこの部屋にいない事にはたと気付いた。きょろきょろと見渡すと、一言。 「どこいったのあいつ?」 「奴ならシュミレーションルームに行ったぞ」  誠二はぶっきらぼうにそれだけを告げた。 「はあ? 午前中にあれだけの授業を受けて?」  スクールに入学してはや一ヶ月。その訓練は日々厳しくなっている。大半の生徒は、土、日は休養に当てざるを得ないほど、疲労はピークに達している。  コンコン。 「あ、はい」  朱実の返事に扉が開けられると、そこには白髪の女性がいた。右手には何かの資料を持っている。 「一枝さん。どうしたんです?」  一枝はやや硬い表情で、 「勇樹君、いる?」  手短に言う。朱実も短く、『シュミレーションルームに行ったみたいですよ』と言うと、一枝はありがとうと告げ、ドアを閉じた。  壁の向こうから『誠二! いい加減片付けてよね!』『あ、朱実さん、そ、その……』『ふん、ならお前の化粧品はどうするんだ! 元が良くないんだから着飾っても無駄だぞ!』『……このクソ馬鹿! あんたには乙女心ってものが』と怒声が聞こえてくる。